国民年金には付加年金という制度があるのですが、これは限りなく絶対に損しない、意図的にそのように設計したとしか思えない制度です。夢のような定期預金と同じです。超おすすめです。
国民年金に加入している人で国民年金基金に加入していないなら、付加年金は払った方がいいと思いますよ。
更新情報
記事を新しくし、繰り下げ受給した場合について追記しました。
付加年金を払って損しない条件は
付加年金は月額400円を追加で納めます。納めた月数をnとすると、老齢基礎年金の受給額が200円×nだけ増額(追加)されます。そのため、年金の受給を開始してから2年間生きていれば元を取ることができます。老齢基礎年金を2年間受給すると、払った付加年金と同額を受け取ったことになるからです。たったの2年です。それ以降は生きている分だけ得します。
もしもこんな定期預金があったら
こんなダイレクトメールが来たらどう思います?
50歳の個人事業主の方に夢のような定期預金のご案内です。
毎月400円を10年間積み立てると、65歳から毎年24,000円を死ぬまで受け取ることができます。仮に85歳で死んでしまうまで20年間受け取った場合、利率は900%です。ただし、条件を満たした方限定です。お急ぎ下さい。
日本年金機構
うさんくさいと思いませんか。普通「死ぬまで」とか書かないでしょうし。でも送り主は日本年金機構なんです。このダイレクトメールは冗談ですが、制度はマジなんです。
夢のような定期預金を利用する条件
- 国民年金を納付していて受給資格がある、またはその見込がある。
- 60歳未満または65歳未満の任意加入被保険者。
- 国民年金基金に加入していない。
国民年金を納めている方は60歳または65歳になるまで利用(積み立て)できます。
50歳から60歳になるまでの10年間毎月400円を積み立てると、積み立てた総額は48,000円になります。65歳から85歳で一生を終えるまでの20年間年金を受給したら受給総額は480,000円になります。10倍に増えたことになるので、利率は900%です。
なぜ月額400円なのか
あり得ないほどお得な制度ですが、どうして月額400円なのでしょう。400円から4,000円まで自由に設定可能だったらどうなるでしょうか。僕は間違いなく4,000円にします。多くの人がそうした結果、破綻するでしょう。
おそらく、月額400円なのは妥協の結果だと思います。
要するに、付加年金だけで独立して採算をとっているわけではなくて、国民年金全体として給付と負担の帳尻を合わせるようになっています。また、付加年金の場合は国庫負担割合が基礎年金本体とは違っています。
引用:厚生労働省
僕は、給付と負担のバランスが悪いことを分かった上で何かの事情で設計した制度だと見ています。それゆえ月額400円が限度なのではないかと。
我が家の場合
僕はもちろん付加年金を払っています。そのため個人型確定拠出年金は毎月上限の68,000円ではなくて67,000円しか積み立てできません。これは付加年金を払うことで生じる制約です。(確定拠出年金と付加年金または国民年金基金の合計が月額68,000円以内でなければならず、かつ、確定拠出年金は1,000円単位でしか拠出できないためそうなります。)
妻は国民年金基金に加入しているため、残念ながら付加年金は利用できません。国民年金基金には付加年金が含まれているそうです。
一応所得控除の対象です
付加年金に払う年額4,800円は所得控除の対象です。少額なので効果は小さいですが。
任意加入制度とは
60歳になると国民年金も付加年金も払えなくなりますが、任意加入制度を使うと5年を上限に支払える期間を延長できます。
60歳までに老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合であって、厚生年金・共済組合等に加入していないときは、60歳以降(申出された月以降)でも任意加入することができます。ただし、さかのぼって加入することはできません。
1.年金額を増やしたい方は65歳までの間
2.受給資格期間を満たしていない方は70歳までの間
3.外国に居住する20歳以上65歳未満の日本人
の方も任意加入することができます。引用:日本年金機構
この説明は不明瞭ですね。これで正しく理解するなんて無理です。
この任意加入制度、僕も妻も利用して40年分満額納めます。
繰り下げ受給した場合
老齢基礎年金を繰り下げ受給すると、受給額が増額されます。
- 1ヶ月あたり0.7%増額されます。
- 1年だと8.4%増額されます。
- 70歳まで繰り下げると42%増額されます。
繰り下げ受給が有利かどうかは人それぞれですが、付加年金は老齢基礎年金と同じ扱いで増額(繰り上げ受給だと減額)されます。これは合理的ですね。
いますぐ確認しましょう
付加年金を払えるのに払っていないとしたらもったいなさすぎます。払っていないはず、または、払っているかどうか分からない場合はいますぐ確認しましょう。
- ねんきん定期便を見る。
- 銀行引き落としの場合は引き落とし額を見る。月額16,540円ならば付加年金は払っていません。
- ねんきんネットで年金記録を見る。
行動するといいことがあるかも知れません。