年金・iDeCo

【方針変更】iDeCoはおすすめしません

僕はiDeCoについてこれまで、使いこなすのが難しくデメリットもたくさんあるものの、上手に活用できれば資産形成の強力なツールになるのも確か(長い)としていました。が、2024年からシン・NISAが始まることが決まり、その考えを変えました。

iDeCoはおすすめしません。まだ始めていないなら、安易に始めない方がいいです。すでに利用中の人は、これからどうするか考えた方がいいです。

どうしてでしょうか。

iDeCoの最大のメリットとは

iDeCoの最大のメリットは、拠出金が全額所得控除の対象となることです。そのため、所得が多い人ほど、所得税率が高い人ほど、その恩恵にあずかることができます。所得税率が最低の5%の人でも、住民税10%と合わせて拠出額の15%相当を節税できる計算です。

その代わりに、解約時にはその資産全体が課税対象になります。iDeCoには、解約時の税額計算において、利益という概念はありません。ゆえに、iDeCoは課税の繰り延べをしているだけだとも言われます。

解約時の税額を抑えるのは簡単ではない

iDeCoの解約時に税額を抑える最良の手段は、退職所得控除をフルに使って一時金で手にすることです。が、これはかなり難しい課題です。労働者人生終盤での「働き方」が大きく影響するためです。自由度がないのです。

退職所得控除が満足に使えなくても、特定口座より不利ということでもないです。

が、非課税のシン・NISAにはかないません。

我が家の対応

僕の場合

僕はiDeCoを始めたのが遅かったことに加え、フリーランスだったので満額の6.7万円を拠出してきました。退職所得控除はフルに使えますが、解約時の税額計算式の仕組み上、特定口座の20.315%よりは低いものの、10%は軽く超える見込みです。iDeCoの資産額(評価額)が増えれば増えるほど、その税率(特定口座と比較ができる実効税率)は上がります。

一方、シン・NISAは非課税期間が無期限です。非課税枠が1,800万円もあります。そのため、僕にとってもうiDeCoは魅力的な存在ではなく、できるだけ早く売却して現金化したりシン・NISAに移したいです。

妻の場合

妻は僕より6歳若く、それだけ拠出年数を長く取れます。よって退職所得控除額が大きくなるので、実効税率は僕よりずっと低くなります。が、それでも非課税ではありません。おいおい、拠出時に所得控除の恩恵を受けていたのを忘れたのか、と言われそうですが、過去は過去です。

で、僕と同じ理由で、できるだけ早く売却して現金化したりシン・NISAに移したいです。そうは言っても60歳にならないと解約できません。そこで拠出額を4.7万円から最低の5,000円に減額しました。

子供の場合

この記事ではMくんとします。

Mくんは20歳になってからiDeCoに6.7万円拠出しています。もうじき社会人になり、その上限が2.3万円になりますが、その前に、拠出額を最低の5,000円に減額しました。理由は同じです。シン・NISAに全振りするべきと判断したためです。

シン・NISAの非課税期間は無期限、iDeCoは拠出時の所得控除を無視すれば非課税にするのは困難です。どっちを取るかと言ったらシン・NISAがいいだろうとなったのです。

シン・NISA全振りで良い理由

人生を折り返している僕と妻ではなく、やっと社会人になるMくんの場合で考えます。

世帯で3,600万円の非課税枠があれば十分

Mくんは現在独身ですが、高い確率で所帯を持つことになると思います。その場合、世帯では3,600万円もの非課税枠があり、特に若い人にとっては十分です。え、若さが関係するの?はい、します。人間は不老不死ではないので、非課税期間が無期限と言っても寿命(マイナス18歳)は超えられないからです。

若いとそれだけ長い非課税期間(+入金力が高いほど良い)を持てます。普通のサラリーマンに、もうiDeCoは要らんでしょ。

シン・NISAはライフプランが立てやすい

シン・NISAの、もうひとつの素晴らしい仕様は、売却すると非課税枠が翌年復活することです。これにより、住宅を購入するなどの大きなイベントにも対応可能になりました。iDeCoは年金制度なので、途中で使うことができません。その点、シン・NISAは自由度抜群です。

若い人は、iDeCoなんか始めないで、シン・NISAに全振りでいいでしょ。

MくんのiDeCoは

Mくんは親の指導により、生前贈与を使って20歳からiDeCoを始めました。iDeCoの困った仕様のひとつが、一度始めると完全にはやめられないことです。

Mくんは2023年から、拠出額を5,000円に変更しました。

  • 拠出を停止すると退職所得控除額が増えません。
  • 拠出を停止しても毎月66円は徴収されてしまいます。
  • 拠出額の5,000円が下限です。
  • 拠出金は全額所得控除できるので、月額5,000円でも手数料負けしません。

年単位拠出も選択肢ですが、それは避けました。

Mくんはこれから毎年6万円、iDeCoでオルカンを買い続けます。遠い将来、解約時の実効税率がどうなっているか、僕が生きて目にすることはできないはずですが、Mくんが結果的に良かったなと思えるといいですね。

これからiDeCoを始めるなら

僕はおすすめしませんが、これから始めるなら、そのデメリットを良く考えてから判断するのがいいです。若ければ若い人ほどそうすべきだと思います。

1,800万円の非課税枠を埋めてもまだ入金力が余るとなってから、始めたのでも遅くないかも知れません。

1,800万円の非課税枠を埋めるのが大変なら、やめておいた方がいいと思いますよ。

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