次の記事で、毎月積み立てするなら何日が良いのか調べました。
その結果、株式インデックスファンドの場合、20日あたりは避けた方が良いという、アノマリーの存在に気付きました。IVV(S&P500種指数に投資するETF)にもそれが見られました。不思議です。
このアノマリーは、他の米国籍ETFにも見られるのでしょうか。調べてみました。
更新情報
2020年分のデータを反映させています。
計算方法
選択した1年以上の年単位の期間において、米国籍ETFを買い付ける日を1日から28日に変更しながら、毎月同額を買い付けた場合に、購入できた株数の差の比率を求めます。
- 架空の証券会社で購入します。端株数対応、為替手数料も買い付け手数料も無料です。
- データはETFの取引価格で、配当金は無視、円換算していません。
- 1日から28日で買い付けた場合に、その年単位の期間で買えた株数を求めます。
- 最も株数が少なかった日を基準にして、株数の差を%で表します。
- 買い付け日が営業日でない場合は未来方向に営業日を探します。月末を超えたら過去方向に営業日を探します。
- 対象ETFが設定された翌年から2019年までで計算します。
この計算方法に納得できない場合は、ここでブラウザの戻るボタンを押して下さい。
また、内容に疑問を抱かれた方は必ず上記記事にも目を通して下さい。
グラフの見方
これはIVVの2001年から2020年の、20年間✕12ヶ月の平均です。これだけ長い期間で説明できない特徴が出るなら、きっと理由があるけど説明できないだけでしょう。
横軸は買い付け日、縦軸は購入できた株数の差の比率です。このグラフだと、赤の矢印の日が(たくさん買えたので)最も有利、青の矢印の日が(たくさん買えなかったので)最も不利でした。その差は0.4%程度ありました。
次はIVVの20年間を、1年ごとにプロットしたものです。
平均から大きく外れた年もあるようですが、このグラフを見つめても、18日あたりに谷がありそうだということが分かります。
以下、平均のグラフのみ掲載します。
主な米国籍ETFの計算結果
SPY:1994年からの27年間
17日あたりに谷があります。27年間✕12ヶ月の平均なので、説明できなくても何かあるはずです。
VOO:2011年からの10年間
SPYもVOOもベンチマークはS&P500種指数なので、対象年数だけの違いだと思います。毎月18日に買い付けていたら、月初に買い付けるより0.8%程度損してたことになります。え、経費率よりひと桁大きいですよ。
VTI:2002年からの19年間
IVVにそっくりです。再掲載します。
IVVは2001年からです。ベンチマークより対象期間の要素が大きいのでしょうか。
VT:2009年からの12年間
米国以外の比率が大きいためでしょうか。ちょっと違いますね。
VWO:2006年からの15年間
まるっきり違います。月初に買い付けると最低でした。次は15年間をプロットしたものです。
ぐちゃぐちゃですね。青のライン(2008年)が支配的な気がします。
次は2009年からの12年間です。
VWOには、規則性はないのかも知れないです。
TOK:2008年からの13年間
VTよりは米国比率が高いので、この結果には納得できます。
QQQ:2000年からの21年間
IVV、VTIに似ています。極端ですけどね。
特典映像
SPYの27年間のグラフを動画にしました。最初にまとめてプロットしたものがあり、続いて1994年から1年ごとのプロットです。
理由はあるはず
ある程度長い期間の平均に、このような傾向が見られるのですから、それは偶然ではなくて理由があるはずです。ただ、説明できないか、知らないかだけのことでしょう。
年ごとのグラフを眺めていて気付いたのですが、コロナショックがあった2020年は3月23日が暴落の底で、2020年の特異な日でした。2020年のグラフはそれに引きづられています。でもそういう大きな暴落のなかった年については、説明できない傾向がありました。
もちろん、信じる信じないはみなさんの自由ですし、こんな細かいことなど気にしないで、「理論通り1日でも早く資金投入するのが良い、以上」とするのもいいでしょう。
でも、もし楽天証券の楽天カード決済による積み立て日が1日じゃなくて、20日あたりだったらものすごく残念な気持ちになります。そして、1日にして欲しいと要望を出しますね。
楽しんで頂けましたでしょうか。