コメント欄で質問を頂きました。配当金を再投資した時の元本と税金の扱いについてです。
楽天の場合の1300円は、全て利益の部分なので1300×79.685%=1036円ですが、
VTの場合の1036円は配当再投資後の元本の部分が含まれるので、1036-(1036-797)x20.315%=987
になるかと。
ご指摘の趣旨は良く分かります。そこで、配当金を再投資した後の税金の扱いについて考えをまとめました。なおこれは僕が好きな考え方であって、正しいと思っているわけではありません。みなさんは自分で納得の行く考え方を採用して下さい。
単純化したサンプル
河童全世界株式Aと河童全世界株式Bというインデックスファンドがあるとします。河童全世界株式Aは分配金を極力出さない方針ですが、河童全世界株式Bはあれば年に1回出します。
- 年率5%の期待リターンがあります。また、投資対象から期待される配当金は年率1%ですが、景気に大きく左右されます。
- 期待リターンの複利効果は考慮しません。
- 譲渡税の税額を20%とします。
河童全世界株式A
基準価額1万円の時に10万円購入しました。
1年後、値上がり益が5%、配当金益が1%ありました。
元本も平均取得価額も変わっていませんが、基準価額は10,600円に上昇しています。
購入から3年経過しました。
なぜか2年目、3年目に配当金は発生せず、値上がり益のみでした。元本も平均取得価額も変わっていませんが、基準価額は11,610円に上昇しています。
ここで売却すると利益は16,100円なので、20%課税後の12,880円を手にできます。
河童全世界株式B
基準価額1万円の時に10万円購入しました。
1年後、値上がり益が5%、配当金が1%ありましたが、配当金は課税されて分配されました。それを再投資しました。
購入から3年経過しました。
なぜか2年目、3年目は分配金が出なかったので再投資していますあえん。元本は再投資分だけ増え、平均取得価額も変わりました。基準価額は11,500円に上昇しています。
ここで売却すると利益は115,880円ー100,800円=15,080円なので、20%課税後の12,064円を手にできます。
売却時の利益はどう見るべきか
コメント欄で頂いたご指摘は、このサンプルだと再投資したのが800円、それが生み出した利益は80円だから、再投資による利益は64円とすべき、というものです。確かに再投資分だけに着目すればその通りだと思います。
でも、全額であれ一部であれ売却時の税額計算には元本と現在の評価額が使われますから、再投資分だけに着目するのは算数としては適切でも、現実の取引としてはそうでもないと思いました。その再投資分だけを売却するから税金はこうしてくれ、というようにはできません。
納得できる考え方を採用して下さい。